北摂スパイス研究所は、大阪・箕面の店舗を拠点に日々スパイスの探求をしています。食べたことのないようなおいしいスパイス料理をお客様に提供するのはもちろん、一人でも多くの方にスパイス料理をつくる楽しさをお届けしています。
辛味や甘みや旨味といった言葉では到底表現しきれない奥深さを感じていただきたい。そしてその先に、スパイス料理が当たり前に家の食卓に並ぶ日が来ることを願っています。
北摂スパイス研究所でスパイス調合師を担当する宮本章太郎は、90年代も終わろうとする大阪でたまたま入った一杯のスパイスカレーに出会います。これまで食べたことのない奥深い辛さと旨味。その解読できないスパイスの味わいに衝撃を受け、宮本は日々自宅でスパイスカレーを自作するようになりました。
どんな食材でも受け入れてくれるカレーの懐の深さにすっかり虜になり、自分のイメージをかたちにするために実験をする感覚で、さまざまなスタイルのカレーを作り続けました。
2016年夏。当時、夜に「箕面naバル」というお店を営んでいた西川智之は、昼の時間帯も何かお店ができないか考えていました。バルで働いていたスタッフに相談してみると、「うちの旦那のカレーがおいしいんですよ」との返答が。試しに作ってもらうと、そのカレーは西川がこれまでに食べたことのないやさしさとスパイシーさが融合した未知の味でした。すぐに「一緒にカレー屋をやらへんか?」と声をかけた男は、すでに15年にも渡ってスパイスの旅路を歩んできた宮本章太郎だったのです。
ランチに提供していた宮本のスパイスカレーはまたたく間に評判となり、やがてバルは北摂スパイス研究所へと生まれ変わることに。
それからは二人でカレーだけでなく、スパイスを使ったさまざまな料理を開発。独学で培った独特のスパイス感覚を活かし、今日も箕面の地でスパイスの飽くなき探究を続けています。
スパ研が誕生する前の、まだ肉の卸業がメインだった頃のこと。それまでビールを進んで飲むことのなかった西川が、たまたま酒屋で手にとった箕面ビール。それまでのビールとはまったく違う風味と味わいに衝撃を受け、それ以来好んで飲むようになりました。その後、とあるイベントでの出会いをきっかけに、箕面ビールの先代とは、事業のアドバイスをいただくほどの仲に。スパ研のロングセラーであるゆずソーセージも、「地元の食材を大切に」という先代の一言から生まれました。
そして、当時箕面ビールが運営していた箕面のアンテナショップを引き継ぐかたちで、今のスパ研の場所で箕面ビールを提供する「立呑の箕面naバル」を開業。それがスパ研の基盤になっています。
創業当時からの人気メニューである「みのおソーセージ」で使っている柚子や、スパイスカレーで使用している野菜は地元の契約農家さんから新鮮な状態で仕入れています。
特に全国に5,000本しかないといわれている実生ゆずは、北摂の特産物。種から15年以上の時間をかけて育てられる実生ゆずは、接木で育てる一般的なゆずに比べて粒がとても大きく、香り高いのが特徴です。北摂だから手に入れることのできる実生ゆずを、スパ研では料理や飲み物に幅広く使わせていただいています。